生成AIが一般的なツールになった今や、誰もが「著作権侵害」の「当事者」になる可能性が劇的に高まる中で・・・

 今年に入ってから、ChatGPTをはじめとする各種生成AI(Generative AI)の進化と普及は、一段とそのスピードを増しております。

 文章、画像、音楽、動画など何れの分野においても、生成AIは、わずか一年前とは比較にならない程に、高品質で自然なコンテンツを、より短時間で生み出せるようになりました。

 他方で、このような生成AIの進化と普及のスピードに、法整備が追い付いていない状況が生じております。

 そしてこの乖離の狭間に、大きな著作権リスクが潜んでおります。

1. 生成AIの利用態様次第では、「侵害者」になるリスクも


 生成AIは、過去に公開されている膨大な著作物を学習し、その統計的な特徴をもとに新しいコンテンツを生成します。

 人間でも、過去に触れた著作物の影響を、無意識のうちに自己の作品に直接的に反映してしまうことがあるように、生成AIも、意図せずに、学習に用いられた著作物の一部や特徴を含むコンテンツを生成してしまうことがあります。

 つまり、人間が「100%オリジナル」であると信じて作った作品にも、盗作疑惑がかけられることがあるように生成AIの作品についても、同様の事態を完全に避けるのは困難であるといえます。

 仮に、生成AIが意図せずに他者の著作物と実質的に同一または類似する作品を生成してしまった場合であって、例えばそれをウェブサイトやSNSに投稿してしまった場合「公衆送信権」侵害という著作権侵害行為になる可能性があります。

 このような事態が生じる可能性を少しでも低減させる為にも、生成AIに入力するプロンプトには、可能な限り細心の注意を払うべきであるといえます。

2.誰もが「被侵害者」になり得る時代

 逆に、あなたが創作した文章、イラスト、写真、音楽、動画などの作品が、あなたの許諾を得ずに、生成AIの学習に利用されている可能性もあります。

 その結果、あなたの作品に酷似したコンテンツが、生成AIから出力され、他者に利用されてしまう事態も考えられます。

 つまり、自分の著作物をもとに、他者に無許諾で「翻案」や「二次創作」に相当する利用をされるリスクは、生成AIの普及とともに飛躍的に高まっていくものと考えられます。

3.法整備が追いついていない現状

 生成AIの進化と普及のスピードに、法整備はまだ十分に追いついていません(日本を含め各国で議論は進んでおりますが)

 現行の著作権法は、当然ながら「人間による創作」を前提にしたものであり、「生成AIの自律的生成物」までをも想定したものではありません。

 従って、生成AI特有のリスクに対応しきれず、法的なグレーゾーンが多分に残されている現状であると言えます。

 だからこそ、各自が、自分の権利を守るため・身を守るための備えを講じることが、大切な時代になったのです。

4.自己の著作権を守るには、どのように対策すべきか?

 当事務所では、文化庁への著作権の各種登録業務を行っております。

当事務所の代表行政書士は、文化庁に提出される「著作権相談員名簿」に登載された「著作権相談員」です。著作権に関するご相談等を承っております

「著作権相談員」とは、日本行政書士会連合会が実施する「著作権相談員養成研修」を修了し、かつ、所定の効果測定に合格のうえ、文化庁に提出される名簿に登載された行政書士を指します。

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